訪問介護の課題を考える:働く者としての解決策提案にむけて

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訪問介護とは、資格を持つ介護士が利用者の自宅に訪問し、各種のサービスを展開する仕事です。

提供されるサービスは大きく分けて2つです。

・身体介護(入浴・排泄・食事など身体に触れるケア)
・家事・生活援助(掃除・洗濯・買い物代行など生活に必要なことを行うサービス)

訪問介護は、介護を必要とする方が、住み慣れた自宅や地域での生活を維持するために、支援を受けられる仕組みですが、実際に利用するにはいくつかの課題もあります。 例えば、プライバシーの問題や介護士との相性、サービス範囲の制約などが挙げられます。 この記事では、訪問介護を提供する者として、それらの課題と解決策についてどのように向き合うかを考えていきます。

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目次

訪問介護:他人が家に上がる・他人してもらう抵抗感

自宅などの個人的な領域に見ず知らずの人が上がってくることに何の抵抗も無い、という人の方がきっと少ないのではないでしょうか。

個人的な空間は、安全であり、自分でコントロール可能な地帯です。

ですが、他人が入ることでコントロールを失い、安心感も損なわれ、強いストレスを感じるものです。

また、高齢になるにしたがって「自分でできていたことを他人にしてもらう」ことへの抵抗感も少なからず持つことでしょう。

これらは、私たち介護士としても最初にぶつかる大きな壁です。
利用者との信頼関係を築くうえで、まず初めに乗り越えるべき課題が、利用者が感じるサービス利用への抵抗感です。

とはいえ、訪問介護の特性上、介護士がご自宅にあがるということは避けられないものです。
利用者は「サービスを利用したいという気持ち」と「他人を家にあげる抵抗感」の間で、強いジレンマを感じることでしょう。

こうした場合は、介護士や事業所は以下のようなことを踏まえて、利用者とお話しすると良いでしょう。

  • 訪問介護員と事前に面談を行い、安心感を得る準備ための準備の提案
  • 最初は短時間のサービスから試す(掃除だけ、買い物代行だけなど)
  • 同性の介護士をお願いする(女性の利用者は女性の介護士のほうが安心しやすい)

※ただし、介護保険サービスはケアプランによってサービスが決まるため、ケアマネージャーとも相談する必要があります。

このような事前の準備や小さなステップを踏むことで訪問介護への抵抗感が徐々に和らげてあげてください。

大切なことは、サービスを利用される方のペースに合わせて、無理なく関係を築いていくこと。
利用者と介護士のどちらもが安心できる環境を整え、一歩ずつ進んでいくことで、利用者のより良い生活を創り上げていくことです。

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個人情報:訪問介護先で知った情報の扱い

訪問介護を利用されるようになった70代の男性Aさんはある日、近所の人から「最近訪問介護使い始めたのですね」と言われた。
このときAさんは「誰かに話した覚えはないのに…」と不安を覚え、介護士が自分のことを外で話しているのではないかと考え始めた。

筆者が実際に体験した話です。
当然筆者は誰にも話していないのですが、これまでの生活にはいなかった介護士という存在が自身の家にあがり、個人的な情報を見聞きしていくわけですから、不安を抱くのは当然と言えます。

介護士としても信頼関係を構築するうえで、少なからざる身の上話を聞いたり、それぞれの家庭の事情を見聞きすることが重要となる場合もあります。
しかし、その情報は適切に管理することが求められます。

個人情報の漏洩を防ぐためには、利用契約をする際に個人情報保護に関する書類をしっかりと交わすことが重要です。

これは事業所の義務であるため、必ず用意されています。

署名をする前に、内容を双方で確認し、個人情報の取扱いについて理解を深めておきましょう。

また事業所として、介護職員が日常会話で得た利用者の情報を不用意に話さないよう、定期的に研修を行い、研修内容を利用者と共有することで、情報漏洩に関する不安を軽減することが大切です。

情報漏洩は信頼関係構築をするをうえで、最も防がなければならない項目です。

そのためにも、介護士には、自身の会話を見直し、利用者にも情報を漏洩させないという強い決意を感じてもらえるような立ち居振る舞いが求められいるのです。

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訪問介護員との相性:価値観や生活スタイルの違い

訪問介護で行われる身体介護は、直接利用者の体に触れる仕事です。
身体的な接触は心理的なハードルが高く、特に入浴や排泄介助では利用者が強い抵抗感を持つことがあります。

身体介護では、介護士に利用者の身体的自由が委ねられているため、お互いの相性の重要性が高まります。

例えば、

お話好きなBさんは「ハキハキして明朗な人が来てほしい」と思っていますが、介護士Cは控えめな性格で必要最低限のことしか話しません。入浴中も、浴室という狭い空間の中でも介護士Cは黙々と業務をこなすため、Bさんにとって居心地が悪いものになっていました。

Bさんのストレスはどんどん大きくなっていきます。

一方で、介護士Cも寡黙ではあるものの、ケアに集中しており、その技術自体は非常に高いのですが…

利用者も介護士もお互いに人間である以上、それぞれの価値観を持っていることについては、何の不思議もありません。

どこかの時点で折り合いがつき、長く担当することになる、なんてケースも多くあり、ファーストコンタクトの印象が、必ずしも相性の決定要因になるとは限りません。

しかしそれでもなお、利用者が感じる不満は解消されるべきです。

訪問介護事業所は、サービス提供の前に利用者の希望などを把握した上で、相性の良さそうな介護士を担当にするように努めています。もし、希望に沿っていないと感じたならば介護士の変更を伝えることも一つの解決策です。

また、利用契約を結ぶ前に、気軽に相談できる環境があるのかどうかを事業所に確認しておくことで、サービス開始後の不安を和らげることが出来るでしょう。

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訪問介護ケアの手順:仕事の進め方

お気に入りのコーヒーショップ。
同じ店で、同じ時間に、同じコーヒーを、同じ店員から買う。
毎朝のルーティンがあることで、その日一日を上手く過ごしていける気がする。
しかし、その日は、同じ店、同じ時間に、同じコーヒーを、初めての店員から買った。
対応に何も問題は無かったものの、商品を渡されるときの表情や仕草、わずかな変化なのに、何からなにまで違ったものに感じられた。

読者の皆さんにも似たような経験があるのではないでしょうか。

訪問介護では、1人の利用者を複数名の介護士で担当することが一般的です。

介護士の体調不良や、他の利用者とのスケジュール調整の必要性があり、1人の介護士が、1人の利用者の全ての業務を対応することが難しいからです。

先の章では個人の相性を取り上げましたが、チームでのケアを行う場合、介護士ごとの仕事の進め方の違いも、利用者の満足度に大きく影響します。

「あの人はこうしているのに、この人はそうはしない」といった些細な違いが仕事の結果を左右する、なんていうことも珍しくありません。

また、実際に介護士ごとに仕事の進め方が異なり、利用者が戸惑うケースもあります。

特に「食事の作り方」「掃除の仕方」など生活習慣に強く関わる部分や、接触のし方などの直接的に体に触れる部分など、利用者の希望が介護士それぞれにしっかり認識されているかは、仕事を進めるうえで重要なポイントです。

こうした問題を防ぐために、以下のような対策を講じることをお勧めします。

・契約に際して、細かい希望をしっかりと出し、ケアプランに明記してもらうようにすること

・サービス開始後も気になる点は遠慮せずに相談すること

・また事業所もケアプランに基づき統一された介護計画を介護士間でしっかりと共有できる仕組みを構築しておくこと

・介護士は「このやり方で本当に良いか?」と利用者と相談する意識を持つこと

これらの取り組みを行うことで、介護士ごとのケアのばらつきを減らし、利用者のストレスを軽減することができるでしょう。

また事業所内でも(他事業所とも)、ケアについての情報を逐次交換し、提供されるサービスの並列化を行うことを心がけましょう。
このような介護士の思いが、満足感の高い利用者の生活を構築することにつながるのです。

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抵抗感を乗り越えて|訪問介護を利用してもらう

訪問介護は身体的にも心理的にも、また生活習慣や価値観の違いという面でも距離が近い仕事です。
そのため利用者は、抵抗感や不安、ストレスやジレンマを感じやすくなります。

しかしながら、これまで述べてきたように、事前の準備を行い、適切な確認をすることで、多くの課題が解消されるでしょう。

この記事が参考になり、あなたが、利用者の住み慣れた家や地域での生活を支える仕事ができることを、筆者も願っています。

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この記事を書いた人

Ryutaro_mojax
・1983年生まれ
・約15年、障害者福祉に関わる会社で勤め、医療的ケアを必要とする重度障害者や小児ケアなど専門的な分野の介護・医療現場での経験
・社内研修の構築、HP構築、各種資料の作成などのバックオフィス業務など、幅広い実務経験
・地域貢献活動を行う一般社団法人の理事として、団体運営に関する様々な業務を行う

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